シンクロニシティとは、自然界や人間社会の中で起こる偶然の出来事に意味を見出す現象を指します。つまり、偶然の出来事がまるで意味を持っているかのように感じられることです。簡単に言えば「意味のある偶然の一致」です。近年、このシンクロニシティは心理学だけでなく、哲学やスピリチュアルな分野でも注目されています。
この言葉は心理学者であるカール・グスタフ・ユングが提唱した概念で、主に因果関係がない偶然の一致を意味します。例えば「同じ言葉を何度も耳にする」や「偶然同じ人に何度も出会う」などがシンクロニシティと言えます。
シンクロニシティは、一見すると超自然的な現象のように感じられますが、ユングはこれを人間の心の中にある「集合的無意識」という概念に関連付けています。すなわち、人間はある種の共通の心理や真相を共有しているため、同じような出来事を経験することがあるのだということです。そんな事からこういった出来事の中には、人生のメッセージとなる事が含まれている場合がある。なんてことも言われているのです。
そこで今回は、過去に起きた「偶然の一致」に関する出来事をいくつかご紹介いたします。偶然では説明できない事象が多く存在しますが、果たしてそこに意味はあるのでしょうか。それでは、さっそく見て行きましょう。
奇跡の遅刻
1950年3月、アメリカのネブラスカ州の教会で大規模な爆発事故が起こった。教会は爆発と火災で崩壊。事故が起きたのは水曜日の夕方だったのだが、毎週この時間には地元の聖歌隊15人が必ず練習を行っていた。もちろん誰もが聖歌隊の安否を心配したが、その後、聖歌隊のメンバーは全員無事であることがわかった。
なんと、聖歌隊のメンバー全員が偶然にも「遅刻」していたというのだ。地元で有名なこの聖歌隊は全員が真面目でこれまで練習に遅刻した者など一人もいなかったという。もちろん事故に関して関与が疑われたが、調査の結果、聖歌隊全員が潔白であり関与は認められなかった。全員が遅刻した原因もそれぞれバラバラであり、各々とるに足りない原因で遅刻していたのだ。この出来事は後に「奇跡の遅刻」と呼称された。
赤ちゃん落下事件
1937年、アメリカのミシガン州で母親が誤って赤ちゃんをマンションのベランダから落としてしまいました。しかしなんと、下で道路掃除をしていたジョセフという男性に当たってなんとか二人とも助かりました。
そんな事があった翌年、また違うマンションで女性が赤ちゃんをベランダから落としてしまいました。しかしなんと、赤ちゃんは下で掃除をしていた男性に当たりまたも助かったのです。そう、その男性はジョセフでした。災難ではありますが、ジョセフは2年連続で赤ちゃんに当たり、二度も赤ちゃんを助けたのです。
リンカーンとケネディの一致
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これはかなり有名な話ですが、アメリカの元大統領であるリンカーンとケネディには多くの共通点がありますので改めて簡単にまとめたいと思います。
その①:当選時期
リンカーン下院議員選出:1846年/大統領就任:1861年
ケネディ下院議員選出:1946年/大統領就任:1961年
とちょうど100年違いになっている。
その②:副大統領
二人ともジョンソンという副大統領。
その③:死因・暗殺者
リンカーンの暗殺者/ジョン・ウィルクス・ブース:1839年産まれ
ケネディの暗殺者/リー・ハイウェイ・オズワルド:1939年生まれ
暗殺者の産まれ歳もちょうど100年違いとなっている。
またどちらの大統領とも頭を撃たれて死亡。しかも金曜日という点も同じ。
その④:友人・家族構成
2人ともビリー・グラハムという友人がいて、4人の子供がいた。
その⑤:秘書
ケネディの秘書:リンカーンという女性
リンカーンの秘書:ジョンという男性
どちらも暗殺される前に秘書から警告を受けていた。
その⑥:通貨発行権
実はこの2人の大統領は、通貨発行権を民間から取り戻そうとした人物でもある。深くは触れないが、実はこれらの事からリンカーンとケネディの暗殺は計画的に行われたのではないかと言われている。
ノーマンメイラーの小説
有名な小説家ノーマン・キングズレー・メイラーは「和訳:バーバリの岸辺」という小説を書いていた。最初は思い描いた通りに物語を書いていたのだが、なぜか途中からアイデアが降りてきて「ロシアのスパイ」を物語に登場させた。すると段々とロシアスパイのキャラの重要性が増していき、最後には話の鍵を握るほどの重要人物となってしまった。
そんな事がありつつも、メイヤーはなんとか小説を書き終えた。そんな時だった、彼の上の階の住人が逮捕されたのだ。話を聞くと、なんと上の階の住人はアメリカに潜伏していた「ロシアのスパイ」だったという。
沈まない女性
1910年、船の乗組員をしていたヴァイオレットジェソップという女性がいた。彼女は当時「オリンピック号」という船に乗船していたが、1911年にオリンピック号はイギリスの軍艦と衝突してしまいます。オリンピック号は沈んでしまいましたが、彼女はなんとか無事でした。
それから彼女は、あの有名な「タイタニック号」で働き始めました。周知の事実ですが、またタイタニック号も氷山に衝突後、沈んでしまいます。この時1500人以上の死者が出ましたが、彼女はまたも無事でした。そんな悲惨な出来事が続いたにも関わらず、彼女はまたイギリスの病院船で働き始めます。しかしやはり、またも彼女の乗ったその船は潜水艦と衝突して沈んでしまいます。もちろん、彼女は無事でした。
タイタニック号の悲劇
タイタニック号が沈没する14年前、アメリカの小説家モーガン・ロバートソンは『Futility』という作品のなかで船の沈没を描いていました。
本での船の名前は「タイタン」。船の名前がタイタニックと少し似ている事にも驚いたが、これだけではない。なんと、大西洋の氷山に激突して沈んでしまったこと、救命艇の数が足りなかったこと、も本の内容とまったく同じだったという。
まとめ
小説や漫画のストーリーと偶然に一致する話は多いですが、これらのことは本当に偶然なのでしょうか?今回は紹介しませんでしたが、フェラーリ社の創業者とサッカー選手メスト・エジルの顔があまりにも似ている事から、生まれ変わりではないのか?などの話もあります。
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また、過去には芸人の島田秀平さんがある番組で語った「交差点で玉突き事故を起こした5台の車の運転手の名前が全員「佐々木和彦」だった」なんて話もあります。「全ての事には意味がある」「全ては必然」なんてよく聞きますが、本当にこれらの「偶然の一致」にはなにか意味があるのかもしれません。